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稼ぐ力の公式ガイド【基礎編】

最終更新: 2019年12月28日

稼ぐ力ってなに??


経営とはお金の使い方

社長は日々、経営判断に迫られます。


経営判断とは、


何に経営資源(リソース)を使うか


の判断です。


リソースは、

「ヒト・モノ・カネ」と言われていますが、

ヒトを動かすにも、モノを買うにしても、

いずれにしてもカネが必要です。


経営判断とは、つまり、


お金を何に使うのか


の判断と言えます。


せっかくお金を使うのであれば、

一番リターンがあることに優先的に使いたいですよね?



システム開発企業のA社長 vs 小売企業のB社長

A社長とB社長が1億円ずつを事業に使いました。


1年後、、、


  • A社長はその1億円を1.2億円に増やしました

  • B社長はその1億円を1.1億円に増やしました


どちらが稼ぐことができたかといえばA社長ですよね。


  • A社長の稼ぐ力=増えた2千万円÷事業に使った1億円×100=20%

  • B社長の稼ぐ力=増えた1千万円÷事業に使った1億円×100=10%


A社長は元手の1億円を、

事業を通じて20%の利回りで運用し、

B社長は10%の利回りで運用したということなので、

A社長のほうがお金の運用力、

つまり、

「稼ぐ力」が高いということです。



なぜいま「稼ぐ力」が重要なのか?


稼ぐ力とは、

事業に投じた資金(1億円)が、


どれくらいのリターン(A社長:2千万円 B社長:1千万円)を生み出したか


という投資効率です。


A社長は1億円しかなくて、

B社長は3億円あったとすると、


  • A社長が1年間で稼げる額=1億円×20%=2千万円

  • B社長が1年間で稼げる額=3億円×10%=3千万円


B社長のほうが稼いだ「額」は多くなります。


しかし、中小・ベンチャー企業では、

「事業に使える資金」には限界があります。


その「限りある資金」を事業に使って、

「できるだけ多くのリターン(稼ぎ)」を得る方がいいですよね。


これが、投資効率であり、稼ぐ力です。



働き方改革の前に稼ぎ方改革

昨今、「働き方改革」がさけばれています。


深刻な労働力不足が背景としてあり、

それを解消するために、


  1. 長時間労働の解消

  2. 非正規と正社員の格差是正

  3. 高齢者の就労促進


が掲げられています。


いずれにしても、

会社としてはコスト増になる可能性が高く、

そのコスト増を吸収するために、

会社としての生産性を高めていかねばなりません。


たとえば、

働き方改革や休日の増加で労働時間が減少すれば、

生産性を高めないと今までどおりの収益性は確保できません。


生産性を高めることは、

投下したリソースからのリターンを最大化することです。


労働時間でいえば、

働いた時間に対するリターンの最大化であり、

会社全体でいえば、

投資した資金に対するリターンの最大化です。

つまり「稼ぐ力」の最大化です。


働き方改革によって、

会社としての「稼ぎ方改革」を実現していかねば、

経営が立ち行かなくなってしまうリスクがあります。



PL経営ではいまの経営課題は解決できない!?

中小・ベンチャー企業を取り巻く環境としては、


  1. 経営環境の変化が早い

  2. 未来の不確実性が高い

  3. 競合他社との競争環境が激化


厳しそうに思えますが、

だからこそのチャンスもあります。


そのチャンスを活かすためには、

ビジネススピードを早める必要があります。


しかし、

それに必要な資金が無尽蔵にあるわけではありません。


そういった環境の中で、こんな悩みはないですか?


  1. 感覚経営のまま事業拡大することにリスクを感じる

  2. 今までのやり方に行き詰まりを感じる

  3. いまのビジネスモデルのまま拡大しても大丈夫だろうか

  4. もっと安全かつ確実な方法で一気に拡大したい

  5. どこまで先行投資すべきなのかが判断できない

  6. 意思決定をする際にどの選択肢がベストなのか分からない

  7. 経営戦略を進める上でどれだけの資金が必要かが分からない

  8. その経営戦略に適したベストな資金調達法が分からない

  9. 起こりうるリスクについてしっかり備えておきたい


これら解決するために、

PL経営から脱却し戦略経営を実践しましょう。


戦略経営でビジネスのスピードを早くする

まず、PL経営とは、


短期的な売上や利益の最大化を目指す経営スタイル



売上や利益が増えても、

投資が大きすぎれば経営的には不効率です。

売上や利益が増えても、

資金が増えなければ苦しくなります。


中小・ベンチャー企業は、

大企業のように潤沢な資金がないので、

限られた資金を使って、

効率よく稼ぐことが必須です。


  1. 中長期的な戦略にそって

  2. 限られた資金を最適な戦術に投資し

  3. 最大のリターン=稼ぎを得ること


これが戦略経営です。


投資に対してどれくらいのリターンがあるのか?


これを見える化する指標としてROICがあります。

ROICとは、Return on Investment Capital の略で、

投下資本利益率と呼ばれています。


「稼ぐ力」はこのROICで計測できます。



あなたの会社の「稼ぐ力」はどれくらい?


ROICを計算式にすると、


利益÷投下資本



利益は、ここでは、

NOPAT(みなし税引後営業利益)を使います。


NOPAT=営業利益×(1-実効税率)



営業利益が1億円ならば、


NOPAT=営業利益 1億円×(1-実効税率 30%)=7,000万円



一方の投下資本は、ここでは、

事業投資するために調達した資金として、


投下資本=有利子負債+株主資本


で計算します。


有利子負債(借入金や社債など)4億円、

株主資本(≒純資産)1億円ならば、


投下資本=有利子負債 4億円+株主資本 1億円=5億円


そうすると、


ROIC=NOPAT 7,000万円÷投下資本 5億円=14%


となります。



あなたの会社の「稼ぐ力」を比べてみよう


あなたの会社の「稼ぐ力」を上場企業と比べてみよう

上場企業のROICは、

以下(出典:日本経済新聞)のとおりです。


自動車

 業種平均     10.6%

 SUBARU   14.21%

 スズキ     13.26%

 ホンダ     9.16%

 トヨタ       8.73%

 日産       7.54%


精密・電機・機械

 業種平均    8.4%

 キーエンス    16.42%

 オムロン    12.96%

 オリンパス     9.05%

 ニコン    5.18%

 川重     3.86%

 三菱重工   3.02%


百貨店

 業種平均   3.2%

 Jフロント    5.41%

 高島屋    4.21%

 三越伊勢丹  △0.14%


コンビニ

 業種平均  5.1%

 ローソン  6.12%

 セブン&アイ  5.75%

 ユニファミマ  3.44%


情報通信

 業種平均  10.5%

 NTTドコモ   13.03%

 KDDI  12.50%

 ソフトバンク  5.85%


ぜひみなさんの「稼ぐ力」を計算して、

これら上場企業と比べてみてください。



あなたの会社の「稼ぐ力」を業種平均と比べてみよう

次にあなたの会社の同業他社と比較してみましょう。

業種ごとのROIC(参考値)は以下のとおりです。


ソフトウエア開発・情報処理サービス   7.5%

ポータルサイト運営・ASP         6.4%

各種卸売                3.8%

EC                  6.1%

アパレル・雑貨小売           3.7%

不動産売買・不動産仲介         3.7%

広告代理・インターネット広告      5.9%

各種飲食店               3.9%

美容室・エステ・ネイルサロン      4.3%

保育所・介護事業所           3.7%

人材紹介・人材派遣           6.0%


上場企業と比較するより、

よりリアリティがあるでしょう。



ROICは異業種でも比較可能

たとえば、

冒頭のA社長はIT会社を経営し、

B社長は小売店を経営していましたが、

このように業種が違っても、

稼ぐ力「ROIC」は比べられます。

ぜひまわりの経営者仲間とも比べてみてください。



ROICは複数事業間でも比較可能

あなたの会社が、

複数事業を営んでいれば、

それらの事業同士でも比較可能です。


たとえば、A社長が、

システムの受託開発事業と、

エンジニアの派遣事業を行っていた場合、

それぞれの事業の稼ぐ力「ROIC」を比べられます。


現状のROIC、

そして将来的なROICを考慮した上で、

どちらの事業に優先投資していくかの判断材料になります。



稼ぐ力が低ければ市場淘汰される?


こんなケースを考えてみましょう。


あるベンチャーキャピタルがあります。


どのベンチャーに投資しようか、と常に探しています。


当然、投資するからには、

リターンを得られる可能性が高く、

かつ、そのリターンが大きい投資先のほうがいいです。


あなたの会社がライバルよりも、

将来性を含めた稼ぐ力が低かったので、

そのベンチャーキャピタルは、

あなたの会社ではなく、

そのライバル会社に投資をしました。


ライバル会社はより多くの資金を得てスケールし、

多くのマーケットシェアをおさえました。


一方のあなたの会社は市場から淘汰されました。


こういうことが起こり得ます。


ライバルたちはすでに動き始めているかもしれません。


先手を取るためにも、

その施策の一つとして「稼ぐ力」を高めることを

取り入れてみてはいかがでしょうか?



真の稼ぐ力とは?


これまで稼ぐ力「ROIC」の話をしてきましたが、

実は、

ROIC=稼ぐ力 ではありません。


冒頭の例では、

A社長とB社長が、

それぞれ1億円を使って事業運営した結果、

A社長のROICは20%、

B社長のROICは10%でした。


A社長のほうが稼ぐ力が高いということでしたが、

この1億円の資金を調達するのに、

A社長はエクイティ・ファイナンスで調達し、

B社長はデット・ファイナンスで調達したとしましょう。


ファイナンスをするということは、

その資金調達をするためのコストが必要です。


デットであれば金利がそれに当たります。

エクイティであればもっと高いコストが必要です。


  • A社長の1億円調達コストは 13%

  • B社長の1億円調達コストは 1%


とすれば、「真の稼ぐ力」は、


  • A社長 ROIC 20%-調達コスト 13%=7%

  • B社長 ROIC 10%-調達コスト 1%=9%


実はB社長の方が「真の稼ぐ力」があることになります。


真の稼ぐ力=ROIC-資金調達コスト


ROICが高かったとしても、

資金調達コストが高ければ、

真の稼ぐ力は低くなるかもしれません。

ROICが低かったとしても、

資金調達コストが低ければ、

真の稼ぐ力は高くなるかもしれません。



ビジネスモデルの限界


応用編として、

このようなケースがあったとします。


あるクラウドサービス提供会社があります。

利用料金は月額1万円で、

年間契約で年間利用料は12ヶ月間で12万円です。

契約時に一括で年間利用料を支払うかわりに、

1ヶ月分の利用料がタダになり11万円になる、

という料金プランです。


このケースでは、

一括で11万円を受け取る代わりに、

1万円のコストを負担していると考えることができます。


12万円を一括で受け取り、

その対価として1万円を支払って、

結果として11万円を調達できたというイメージで考えれば、


この11万円の調達コスト=1万円÷12万円=8.3%


と考えられるでしょう。

ここで、

この会社のROICとの関係で考えてみましょう。


① ROICが7%の場合

  真の稼ぐ力=ROIC 7%-調達コスト 8.3%=△1.3%


② ROICが20%の場合

  真の稼ぐ力=ROIC 20%-調達コスト 8.3%=11.7%


①のケースであれば、

真の稼ぐ力がマイナスになってしまうので、

この料金プランは適切ではなく、

この状態で事業規模が拡大すればするほど損をします。


この料金プランをやめて、

毎月1万円ずつ年間12万円をいただく料金プランに、

変更したとしましょう。


当初のプランであれば一括で11万円もらえるので、

その資金を年間の運営資金に充てることができます。


一方、変更後の料金プランであれば、

年間の運営資金を調達しないといけないかもしれません。


デット・ファイナンスで調達して、

その調達コスト(金利)が1%だったとします。


真の稼ぐ力=ROIC 7%-調達コスト 1%=6%


先ほどのように「真の稼ぐ力」がマイナスにはなりません。


しかし、このビジネスモデルであれば、

運営資金としてファイナンスできる限界が、

事業拡大できる限界になるかもしれません。


100社に対してサービス提供するのに、

年間の運営資金が1,000万円必要だとします。


この1,000万円をファイナンスできれば、

無事に100社に対してサービス提供できます。


次に、200社に対してサービス提供するのに、

年間の運営資金が2,000万円必要だとします。


ここで、

1,500万円しかファイナンスできなければ、

150社にしかサービス提供できないかもしれません。


つまり、

1,500万円しかファイナンスできないという

「ファイナンスができる限界」があるために、

200社に伸ばそうと思っても、

150社までしか伸ばせないということになりかねません。


とても単純なケースで考えてみましたが、

このように、ファイナンスしなければ事業拡大しにくい、

というビジネスモデルであれば、

ファイナンスができる範囲内でしか事業拡大しにくく、

事業がスケールしづらくなるかもしれません。


②のケースであれば、

8.3%の調達コストを支払ったとしても、

「真の稼ぐ力」が11.7%あるため、

この料金プランであったとしても、

「真の稼ぐ力」はしっかり確保されています。


デット・ファイナンスによる調達コスト1%よりも、

相当高い調達コストですが、

①のケースとは異なり、

運営資金を確保するために、

ファイナンスをする必要がなく、

ファイナンスができる範囲内でしか事業拡大しにくい、

ということがなく、

事業がスケールしやすくなります。



隠れた問題


ROIC=利益÷投下資本


①のケースで、ROICが7%ということは、

利益がプラスということ、

つまり、PL上は黒字だということです。


しかし、

この「真の稼ぐ力」はマイナスになっていました。


PL重視のPL経営が危険なのがこの点からも明らかです。



まとめ


限られたリソース(資金)から最大のリターン(資金)を得る

真の稼ぐ力=リターンであるROIC-リソースの調達コスト


働き方改革をはじめ、

中小・ベンチャー企業が取り巻く環境は日々変化しています。


そのような環境においても、

会社として成長し続けるために、

この「真の稼ぐ力」を高め続けることがとても大切になります。



稼ぐ力の公式ガイド【実践編】

次回は、もう少し具体的に、

この「真の稼ぐ力」を高めるためにどうすればいいのか?

についてガイドしてみます。




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