検索
  • beonecollege

メルカリのキャッシュがどんどん増えるカラクリは?

最終更新: 2019年12月28日

購入者がメルカリで商品を購入すると、

その代金は購入後数日でメルカリに入金されます(★1)。


それからメルカリの手数料を差し引いた残りが出品者に支払われます(★2)。



メルカリの30年3月末時点の貸借対照表を見ると、

決算日時点の★1の未収入金2,504百万円と、

★2の未払金25,401百万円が計上されています。


概算ですが、

未収入金の回転期間は数日、

未払金の回転期間は約1ヶ月になります。


つまり、

取引成立後、

購入者からは数日以内でメルカリに入金される一方で、

そのお金をメルカリが出品者に対して支払うのは約1ヶ月後(★3)になるということです。


これは「運転資本がマイナス」の状態といいます。


たとえば、メルカリでは、


① 1月に出品者が代金100のものを出品する

② 2月に購入者が100で購入する

③ 2月末に購入者が100の購入代金をメルカリに振り込む

④ 3月末に出品者が売上代金90(メルカリの手数料10を控除した後の金額)を自分の口座に振り替える


といった状態になっているため、

メルカリには2月末から3月末の1ヶ月間、

100のキャッシュが手元にたまることになります。


この状態になる原因は、


1

取引成立してからは、

商品発送→購入者受取評価→出品者振込申請→売上金振込という流れになります。

この取引成立から出品者へ売上金を振込までの期間が最低でも1週間以上かかるので、

その間はメルカリの元にキャッシュがたまっている状態になります。

つまり、

上記の②から④の期間は最低でも1週間以上は必要になるということで、

その間はメルカリの元にキャッシュがたまります。


2

出品者が販売して得た売上を出金するとき、

出金額が1万円以上の場合は無料ですが、

1万円未満の場合は振込手数料210円が必要なので、

出品者にとっては売上が1万円以上貯まるまで出金を待った方がお得になります。

つまり、

上記の④で自分の口座に振り替えずに、

当面そのままメルカリの口座に置いておくということが起こりえるので、

メルカリにとっては出品者への支払いまでの期間(③から④の期間)が長くなります。


3

出品者が売上金をメルカリ内での購入代金に充てることができるため、

出品者は「売上金をメルカリ内に残しておいて今度何か買おう」という心理が働き、

メルカリにとっては出品者への支払いまでの期間(③から④の期間)が長くなります。

つまり、

上記2の原因と合わせて、

仮に上記③の1週間後に出品者が売上代金の引き出しが可能になったとしても、

引き出さずに④までメルカリの口座にその売上代金を置いているということです。

結果として、その間、メルカリの元にキャッシュがたまります。


といったことがあげられ、

結果として★3の期間が長くなっています。



通常、

仕入代金を支払って在庫になり、

その在庫が売れて売上代金が入金されるので、

売上代金が入金されるよりも仕入代金を支払う方が早くなります。

そうなるとその仕入代金を支払うための資金(これを運転資金と言います)を

銀行から融資を受けるなどして確保しなければなりません。


たとえば、


1月に100を仕入れる

2月末に100の仕入代金を支払う

3月に150で売れる

3月末に150の売上金の入金がある


このケースであれば、

先に2月末に100の支払があるので、

(仮に手元キャッシュがないとすれば)100を借りてこないと支払えません。


また事業規模が拡大すればするほど多額の仕入代金が必要になるので、

多額の運転資金が必要になり借入もどんどん増えていきます。


たとえば、

上記の例であれば100の借入ですみますが、

事業規模が拡大して10倍の1,000の仕入代金が必要になってくれば、

当然に10倍の1,000の借入が必要になってきます。

そして、

この借入ができる限度が、

事業規模を拡大する上での大きな足かせになってしまう可能性が高いです(★4)。


しかし、

メルカリのように「運転資本がマイナス」の状態は、

仕入代金を支払う前に売上代金が入金されるので、

売上代金で仕入代金をまかなうことができるため、

運転資金の融資が不要になります。


たとえば、


1月に100を仕入れる

2月に150で売れる

2月末に150の売上金の入金がある

3月末に100の仕入代金を支払う


という状態で、

借入をしなくても、

先に売上金150が入ってくるので、

そのお金で仕入代金100を支払えます。


また、

売上代金が入金されてから仕入代金を支払うまでの期間は、

売上代金が手元キャッシュとして残るので、

事業規模が拡大すればするほど手元キャッシュは潤沢になっていきます。


たとえば、

上記の例であれば、2月末に150の入金があるので、

3月末に100の支払いがあるまでの1ヶ月間は150が手元キャッシュとして残りますし、

また、

事業規模が10倍になれば1,500のキャッシュが1ヶ月間手元に残ることになります。


メルカリでは、

こうして生まれたキャッシュをどんどん広告宣伝等に使って事業拡大していけるので、

★4のようなことになることなく事業規模を拡大していけます。

そして、

利益は赤字でも、

営業キャッシュ・フローはどんどん増えていくビジネスモデルになっています。


顧客から預かった預金を運用することで利益を生み出していく銀行のビジネスと似ていて、

メルカリは、

顧客からお金が引き出されるまでの時間が★3の通り長いので、

そのお金を使って事業運営することができるのです。


ビジネスモデルを創るときには、

こういった視点を組み込むといいですね。


---

無料レポート『Amazonに学ぶ中小企業の成長戦略』のダウンロードはこちらから。

※無料レポート提供は終了しました。

---

10社限定で〈無料資金力診断〉を実施しています。詳しくはこちらから。

※無料資金力診断は終了しました。



218回の閲覧